

犬が吠えるという行為は人間でいうと「話す」ということになるとおもいます。それでは、犬に吠えることを「やめさせる」ためにはどうしたらよいのでしょうか?犬の服従訓練の初級クラスで、リチャードといった名前のボーダーコリーが、部屋の向こう側に並んでいる他の犬たちに向かい吠え始めたことがありました。
ボーダーコリーの吠え方はけたたましくて、狭い部屋の中ではとてもうるさく感じたが、リチャードの飼い主さんは、「だめ、やめなさい!」と必死に叫んだが、それは、逆効果だったそうです。これは、飼い主が犬語の基本をわかっていない例のひとつです。犬に向かって大声で「だめ!」または「静かに!」「吠えないで!」などと叫べば犬には吠え声のように聞こえてしまいます。
それでは、ちょっと考えてみましょう。犬は何か問題を感じ取ったり吠えて警告を発します。そこへ群れのリーダーであるはずの飼い主さんがやってきて、同じように吠え始めるとします。それはつまり、犬から見れば、あなたもやはり警告を発したほうがいいと認めたことになります。リチャードもそのように状況を判断したため狂ったように吠え出したということなのです。
犬の分離不安についてご紹介します。犬はもともと集団で行動する動物です。そんため一人なることが苦手です。飼い犬の場合には、生まれてすぐは母親犬・兄弟たちと過ごして、その後ペットショップや
家庭に引き取られて人間と一緒に生活することになります。当然ですが、野生の中に一人で生きている経験がないということになります。
そのため、留守番などの短時間であっても、一人ぼっちにさせてしまうと仲間を求めて吠えることがあります。また家族の臭いなどを求めるため、家のなかのものを噛んだり動かしたりすることもあります。これを「分離不安」というように呼んでいます。人間にとっては「分離不安=いたずら」ととらえてしまうことが多くあるようです。
もともと、番犬に適した犬種というように個々の性格や犬種の傾向もありますが飼い主と長い時間密着した生活を送っている犬ほどなかなか離れがたくなる傾向にあります。人間の都合としては、番犬としての犬を求めるということもあります。また仕事としても役に立ってもらわなければならないこともあります。強い分離不安を克服するためには家が安心できる自分の居場所だということを理解させることが大切です。そして長時間にわたっても飼い主の命令を守れるように指示語の理解と強い信頼関係が必要となります。