

日本では過半数の飼い主が愛犬を溺愛しているといった背景がありようです。飼い主のタイプ別構成比などの資料もありますのでどういったことがわかるかというと、最近の日本での飼い主さんと愛犬の上下関係は、実際の場合、どうなっているのでしょうか。室内で犬を飼っている首都圏・近畿圏の女性795名を対象にした「飼い主と愛犬の接し方」を調べたアンケートというものがあります。これは2005年に花王が調査したものです。そのアンケートをした結果、とても興味深い結果が導き出されました。
4割が一緒の布団で寝ていており、3割が自分の愚痴を聞いてもらうといったように、親密な接し方をしているのです。また、4割が「愛犬の家庭内順位が家族の誰かより上位になっている」、そして5割が「おやつを頻繁に与えている」、3割のかたが「人の食べ物を愛犬が欲しがっていると与えてしまう」というように、実は適切とはいえない接し方をしている飼い主さんがいることが明らかになったのです。一緒の布団で寝る飼い主さんが4割もいることには驚かされました。
また愛犬に対する行動や意識のなかで、飼い主は4タイプに分かれることも見出されてたようです。加隈先生による理想的な飼育スタイルの「しっかり育児」タイプは37%です。信頼関係がやや希薄であって「ペットはペット」タイプのかたが19%であるのに対して、「ついついご褒美をあげてしまう」というタイプのかたが30%、「べったりとペットに依存してしまう」タイプが14%というように、約半数のかたが愛犬の溺愛傾向にあることが判明したのです。
犬の分離不安についてご紹介します。犬はもともと集団で行動する動物です。そんため一人なることが苦手です。飼い犬の場合には、生まれてすぐは母親犬・兄弟たちと過ごして、その後ペットショップや
家庭に引き取られて人間と一緒に生活することになります。当然ですが、野生の中に一人で生きている経験がないということになります。
そのため、留守番などの短時間であっても、一人ぼっちにさせてしまうと仲間を求めて吠えることがあります。また家族の臭いなどを求めるため、家のなかのものを噛んだり動かしたりすることもあります。これを「分離不安」というように呼んでいます。人間にとっては「分離不安=いたずら」ととらえてしまうことが多くあるようです。
もともと、番犬に適した犬種というように個々の性格や犬種の傾向もありますが飼い主と長い時間密着した生活を送っている犬ほどなかなか離れがたくなる傾向にあります。人間の都合としては、番犬としての犬を求めるということもあります。また仕事としても役に立ってもらわなければならないこともあります。強い分離不安を克服するためには家が安心できる自分の居場所だということを理解させることが大切です。そして長時間にわたっても飼い主の命令を守れるように指示語の理解と強い信頼関係が必要となります。