

動物行動学が専門の農学博士・加隈良枝先生によると犬に対して日本人は感情表現がヘタかもしれないということだそうです。加隈先生は、帝京科学大学のアニマルサイエンス科の講師として活躍されており、研究テーマは、動物のストレスとその緩和や問題行動の予防と治療などです。ペット行動学の研究先進国でもあるイギリスで1年半の留学をしていたそうです。
「犬には、わかりやすい表現方法が大切で、感情表現が豊かな欧米人と比べてみると日本人の場合は、犬からみても表現力が不足しているみたいです。犬をほめるときであっても犬を叱るときであっても、そのメッセージがきちんと伝わっていない気がします」。とのことです。
「ダメでしょ? わかった?」というようにやさしい口調で犬の背中をなでながら、言いさとしていることがあるみたいでこれでは、犬はほめられていると勘違いしてしまうそうです。犬をほめるときは、ハイテンションで大げさなぐらいが良いでしょう。逆に犬を叱るときは、怖い顔をしながら叱ると怒られているのだということが犬も認識できるのです。
なお、叱るときのポイントは、怖がらせないことが大切です。犬は叩かれたりしたら飼い主さんを好きにはなれません。たとえば犬が困った行動をするたびに音を出してみて犬をびっくりさせてみるといった「天罰法」をつかって学習させることが良いみたいです。他にも遊びが中断される、ムシされる、おやつをもらえないというような実際の「罰」を与えるのも「叱る」方法として有効なようです。
犬の分離不安についてご紹介します。犬はもともと集団で行動する動物です。そんため一人なることが苦手です。飼い犬の場合には、生まれてすぐは母親犬・兄弟たちと過ごして、その後ペットショップや
家庭に引き取られて人間と一緒に生活することになります。当然ですが、野生の中に一人で生きている経験がないということになります。
そのため、留守番などの短時間であっても、一人ぼっちにさせてしまうと仲間を求めて吠えることがあります。また家族の臭いなどを求めるため、家のなかのものを噛んだり動かしたりすることもあります。これを「分離不安」というように呼んでいます。人間にとっては「分離不安=いたずら」ととらえてしまうことが多くあるようです。
もともと、番犬に適した犬種というように個々の性格や犬種の傾向もありますが飼い主と長い時間密着した生活を送っている犬ほどなかなか離れがたくなる傾向にあります。人間の都合としては、番犬としての犬を求めるということもあります。また仕事としても役に立ってもらわなければならないこともあります。強い分離不安を克服するためには家が安心できる自分の居場所だということを理解させることが大切です。そして長時間にわたっても飼い主の命令を守れるように指示語の理解と強い信頼関係が必要となります。